15年ぶりに東京に来た。
ひさびさの東京、ひさびさの外勤、初めての職場環境と、慣れないづくしで、2カ月経ってもほとんど何もできていないが、地道にやるしかない。
ひさびさといえば、ひさびさにめぞんを読んだ。
高校の時もそれほどじっくり読んではいなかったが、いつか忘れたけれど最終15巻は古本で買って持っていた。
めぞんを読むと、自分が本当に偶然の幸運で手に入れることができた大切なものを、自ら捨て去ってしまった自らのどうしようもない愚かさにつくづく気づかされ、いかにいつも上辺だけを取り繕い、いかに高慢で、いかに冷酷であるかを、まざまざと見せつけられる。
深夜にバイクで走り回っていたあのころは、希望はなかったけれど、まだ人間だったと思う。
しかし、いつからこうなってしまったのかと何度も考えるが、いつも答えは同じ。
自分の根っこの部分は、最初からきっとこうだったのだ。
繰り返す過ちのそのたび 人はただ青い空の青さを知る
粉々に砕かれた鏡の上にも 新しい景色がうつされる
しかし、粉々に砕かれた鏡は、もう元には戻ることはない。
