2022/09/18

memento mori

夜明けにはまだ時間がある
朝焼けはまだ空の彼方
少しずつ音もなく落ちていく
砂時計
明日はまた見つけるだろう
雪の中 咲く
白い花を
手にとれば
すぐとけていく
夢のひとしずくを

留まることなどない時間を
追いかけて
見送ることしかできなかった
今はただ
君に届け
この声は
いつかめぐり逢うための約束を
告げている

光と影とが揺れる道を
駆け抜けて
いつしかようやくたどり着いた
朝の海
君に届け
この声は
寄せては また返す
潮騒の呼び声

瞬く内に季節は過ぎて
君と出会った
あの冬になる
青い星座は君を忘れて
こごえた夜の闇に光る

流れ星なら宙へ
散った花なら土へ
いつか誰もが
帰る日が来る
君の翼はどこを目指す

やわらかな光が
ふりそそぐ
懐かしい
あなたと出会った場所
生まれる前の
記憶たどって
ここへ来た

とめどもなく広がりゆく
夜の水面へ
舟 こぎ出せば
風に踊る
命の灯が
夜空の星をつないで
道しめす
白銀の光はなち
明日へと