2011/05/05

いつか見た光景


福島第一原発事故の収束見通しが立たない中、世間では東京電力の賠償案(救済案?)なるものが取りざされている。原発を保有する東電以外の電力会社も分担し、結局は電気料金に跳ね返るようだ。
かつての(もう20年も前になるのか)バブル崩壊後、銀行の不良債権問題が処理された光景と似てきた。それなりに責任を取らされる人たちはいるのだろうが、税金がつぎ込まれ、組織はほぼ現状のまま存続し、結局は何も変わらない。
暑い夏を冷房なしで一度越したら、おそらく原発再開の声がどこからか高まってくるだろう。世間の我慢はそう長くは続かないものだ。電気代が2割近く値上げされるのなら『誰かが払っている』税金でどうにかしろ、ということになるかもしれない。消費税が20%くらいになれば別かもしれないが。
また国の借金がどんと増え、負担は先送りされ、いつかくる破局の規模がさらに大きくなるのだろう。ここまできたらどうなってももう同じ、ということか。
大津波で砕かれた土地の鏡の上にも新しい景色は映されるだろう。
原発事故で放置された土地の鏡の上には、いつか何かが映されるのだろうか。

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