いま人気になっている本を読んだ。
先進国の中で日本だけがデフレに陥った根本的な原因は、1998年から続く名目賃金の低下。
欧米はずっと上がっているのに日本だけが下がり続けている。
欧米の企業は業績が悪くなるとレイオフして賃金水準を維持するのに対し、日本は労使協調で「賃金より雇用」を選び、ユニットレイバーコストが中国に近づいているためだ。
その悪影響を若年層と非正規労働者が受け、世代間格差が広がっている。
また日本企業は画期的な製品を生み出すプロダクト・イノベーションを起こせず、低コストで生産するプロセス・イノベーションばかりを進めてきた。
安倍政権やブレーンの浜田氏が主張する大胆な金融緩和でインフレ期待を起こしデフレから脱却するのは不可能であり、生産人口減少論もデフレの要因ではない、としている。
名目賃金を上げるためには、日本も米国流の労働慣行にするしかないのか。
自分のような中高年が既得権益層となっているということなのだろう。
将来の社会保障に全く期待が持てないことも大きいのではないだろうか。
老い先が厳しいとなれば、少し給料が増えても誰もおカネを使おうとしない。
オバゼキ先生も言っているように、アベノミクスの末路は資産バブルなのだろう。
歴史は20年でもう繰り返してしまうということなのか。
徳川家の末裔の人が書いた「2016年に日本経済崩壊」という話が、なにやら少しずつ冗談ではなくなってきたようだ。