2006/05/19

コンサ・神戸&鳥栖戦


 神戸戦は雨上がりの厚別で、風物詩の強風もなく、意外と暖かいコンディションでした。そして前半早々、目の前でフッキのFKが決まり先制。「きょうはいけるかな」と思ってしまいました。
 ところが、その後はご存知の6失点。三浦淳の落ちるFKで同点に追いつかれてからは、とにかくMFもDFも相手選手を抑えるどころか、付いてもいけない。GK高原のポジショニングの悪さもあって、やられ放題の90分でした。とにかく相手の横の動きにまったく付いていけないのです。前から危惧していた点が、この日は一気に吹き出た感じでした。コンサの選手は神戸の選手にも完全に走り負けていました。
 柳下監督の就任1年目は、サイドで3人が三角形をつくってボールを奪うと、壁パスを効果的に使って前に抜け出す動きがよくできていました。ところが、1年目の後半以降はこうした動きがまったくなくなっていました。それでも右サイドの岡田あたりがドリブルで切り込んでチャンスを演出する機会が何度かありました。
 今年は右サイドのレギュラーは芳賀。安定してますが、自分で突破するタイプの選手ではありません。3バックの右の加賀がよくオーバーラップするので、そのフォローや中盤の底に入ることも少なくありません。コンサの両サイドは、とにかくドリブルで突破することがほとんどありません。前線の2人も下がってボールを取りに来ないため、相手に引かれると例の横パス交換が続きます。ポゼッションは高いのですが、効果的な仕掛けはほとんどない状態です。サイドからは流れてきたフッキがドリブル突破を試みる程度です。

 そして3日後の水曜夜のドームでの鳥栖戦。試合前に元コンサの新居らが何度もループシュートの練習をしていましたが、ほんとに新居に決められてしまいました。あの時は背後からのパスを受けてのプレーでしたが、新居はすぐにボールに行かずに、まずDF(たしか池内)の体を手も使って走りながらブロックして自分のいいポジションをつくってから、ボールに走ってボレーのループシュートを決めました。途中出場とはいえ、随所にスピード感あふれる動きをみせ、新居はいい選手になってますね。得点も決めてますし。コンサの時は伸び悩んでいましたから、コンサは指導かチーム内の雰囲気に何か問題があるのかな、とも考えてしまいます。
 ちなみにこの日はコンサのサポーターは個人名をコールする応援はしませんでした。先発選手発表の後のコールもなく、前半終了時に少しフッキと相川のコールが2~3回あった程度でした。前節の大敗でそうしたのでしょうが、かつて磐田や川崎Fに6点取られたときはどうだったかな、とも思ってしまいました。

 今年もコンサの昇格は無理でしょう。鳥栖に対しても守備ができていませんでした。いまのコンサには確実に勝てる相手がいません。水戸も草津も強敵になってしまいました。柳下監督は私と同郷ですので、親近感がありますが、いまのコンサの選手に柳下監督の戦術はできないと思います。ポストプレーヤーもいない、ドリブル突破できるサイドもいない、では攻め手がありません。短いパス交換からの崩しは、いまのコンサ選手の技術と運動量では難しい。J's Goalの記事にもありましたが、1点とられて鳥栖が引いていたら、たぶん0-1かそれ以上で負けていたでしょう。
 岡田監督も1年目は攻めるサッカーを標榜していましたが、2年目からは引いて守ってエメと播戸のカウンターに賭けるサッカーに180度転換し、ぶっちぎりで優勝しました。それでも相手に引かれたりすると苦労していました。
 3年目の柳下監督は、さらに攻めるサッカーを志向しているようです。前HFC役員の水沢さんに聞いたところ、「柳下監督は自分の戦術に絶対の自信を持っていて、周りからどうこうは言いにくい」と言っていました。今から監督を変えてもダメですし、フィジカルもスピードもない選手たちでカウンター戦術に切り替えても難しいと思いますから、監督を交代させる必要はないのかもしれませんが、今の選手で今の戦術を続ける限り、J2の真ん中より上位にいくことはないでしょう。
 攻撃サッカーのあるべき姿を目指していますから、柳下監督に文句を言う気はありません。ただ、コンサの選手には無理なだけです。今年で柳下監督は辞めるでしょうから、来年は身の丈にあった監督を招聘してほしい。オシム監督なんか最高ですけど、また高望みになってしまいますね。

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