2009/03/08

大貧困社会


 駒村康平著の「大貧困社会」を読んだ。なぜこの本を読むことにしたのか覚えていない。
 いろいろ書いてあったが、税方式の年金制度は問題点が多いこと、高負担・高福祉が結局は経済成長にもつながること、年金問題は1960~70年代の野放図な年金給付引き上げが最大の原因であること、非正規労働者の厚生年金適用が不可欠、年金制度は決して崩壊しているのではなく、未納者も全体の10%に過ぎない、などの主張が印象的だった。
 筆者は消費税の大幅引き上げや行政の透明化、高齢者の負担増、徹底した少子化対策、世代間の協力が諸問題の解決には不可欠―と述べている。しかし現実には、消費税は別としても、その他の改革は無理だろう。今も昔も時の政治は時の国民の欲求にほかならない。
 会社の改革も、国の改革も、結局はもうどうしようもなくなる時までなされない。火の粉が自分に降りかかるまで変わらない。
 西松建設の違法(うちの新聞は巨額としているが)献金事件でも、「政府高官」の発言が問題化しているが、どこも高官の名前を書かない。オフ懇だから書けない、では今の読者は納得しないだろう。7日の朝刊で朝日、夕刊で共同(時事かもしれないが)は「民主が漆間氏とみて追及」と書いたけれど、これもおかしな話だと思う。自分たちは知ってるけど読者の皆さんには直接は教えられません―。これでは読者の新聞離れ、メディア不信を自ら増幅していることではないか。
 オフ懇なども、これからは存在意義を問われることになるのだろう。
 

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