2012/11/19

「本当のこと」を伝えない日本の新聞


アメリカ人にとって、ジャーナリズムは「番犬、権力の監視者」であるべきという強い共通認識がある。権力をじっと監視し、ひとたび不正を見つければ、ペンを武器に噛み付く。
なぜ日本のビジネスマンが、日本経済新聞をクオリティペーパーとして信頼するのか私には理解しがたい。同じ経済紙でも、英国のフィナンシャルタイムズやアメリカのウォールストリートジャーナルは報道姿勢がまったく異なる。これらのクオリティペーパーの記者は、企業のプレスリリースにさほど興味を持たない。1日や2日、他社よりも早くプレスリリースをもらえたからといって、たいした価値などないからだ。
取材相手と仲良くなることと、信頼を得ることはまったく違う。記者だって人間だ。相手のインナーサークルに入ってしまえば、精神的にずっと楽になる。その魔力に抗うことが、読者の信頼を獲得し、ひいては社会を良くする記事を生み出すことにつながると私は信じている。
私は取材対象者とオフレコの約束をしたならば、それを守るべきだと思っている。役人や政治家、企業役員と記者がオフレコ懇談会をもつことには、大きな意味がある。取材対象者の腹の中を探るためにも、オフレコ懇談会は重要だ。その場で重大な情報が明らかにされたときには、オフレコ懇談会ではなく別の取材ルートから糸口を探ればいい。老練な官僚や政治家たちは、オフレコでの発言が形を変えて報道されることを前提に話をするものだ。
読者が本当に知りたいのは「記者の肉声」。

マーティン・ファクラー『本当のことを伝えない日本の新聞』より











2012/11/16

サバイバルゲーム

民主党からの離党者が相次いでいる。
これを裏切り者となじり、保身はよくない、という批判が出ている。
間違いだ。
保身のためなら、絶対に離党してはいけない。
今、離党するのは、自殺行為だ。
この一回の選挙に万が一勝っても、政治生命を絶たれる。
年収千数百万円をあと1、2年、維持することだけが目的なら、それも良いだろうが、一生、政治はできなくなる。
政治というのは、仲間と行うものだ。自分がリーダーになったときに、すべてを捨てて心中してくれる仲間が何人いるか。それにかかっている。
党という枠組みは、それをフォーマルにしたものだ。
自民党が民主党よりもましなのは、派閥という、実利をかねた共同体が存在したからだ。
だから、派閥を否定する自民党議員はリーダーにはなれない。
政策などはどうでもいい。
なぜなら、適切な政策は、環境によって変わりうる。そのたびごとに選挙をやるわけにも行かないし、組織を変えるわけにも行かない。
企業なんて、そんなこといったら、毎週、組織をゼロスタートしなければいけない。
そうでなく、絶対的な信頼感、人間としての信頼感をお互いに保有することだけしか、戦いを行きぬく方法はない。起業も企業も、サッカーチームも、夫婦も、同じだ。
これはサバイバルゲームだ。
組織を動かず、運命を受け入れ、全力で戦うことで、戦友になる。落選しても、盟友であり続ける。
それが次の選挙、次の次の選挙、本当の政治をもたらす。
民主党に残って、かつ、いい戦いをした議員だけが、10年後も政治家であり続けることが出来、ひとかどの人物となった彼らによって、日本は導かれることになるだろう。 

『小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記』より







2012/10/28

プロじゃなかった


自分が甘かった。
ライバルを尊敬していなかった。
日経ビジネスの記事のように、自分は「プロじゃなかった」ということだ。
手伝ってくれた彼に申し訳ない。
彼の厚情に報いることができなかった。
これが一番、本当に、残念なことだ。
落ち込むのではなく、しっかりと始末しなければならない。
これが、ほんの、ほんのごくわずかでも、厚情に報いることになってくれれば良いが。
自分は見たことはないが、きっと、こんなに美しいのだろう。

2012/09/30

溜池通信より


情報の仕事について考えたこと。
  1. 情報の仕事は、面白い。ベテランになればなるほど、その面白さに中毒するようになる。
  2. 情報の仕事には、休みがない。少しでも休むと、取り戻すのが大変である。
  3. 情報の仕事は、誰をクライアントにするかが難しい。できればパワーがあって、カネ払いのいい顧客を持ちたいものである。
  4. 情報の仕事をする人は、無欲であった方がいい。もしくは無欲であるふりが上手であることが望ましい。
  5. 情報の仕事をするときは、外国語や図表や数式や事実関係のチェックなど、面倒な作業から逃げてはいけない。
  6. 情報の仕事をしている人たちは、自然と友達になる。レベルが高くなればなるほど、意外な人と意外な人が仲が良いものである。
  7. 情報の仕事をするためには、資格や学歴はそれほど重要ではない。普通の努力はあんまり報われず、何か決め技を持っている人が生き残っている。
最後の7番は、まさにその通りだと思う。
自分には資格も学歴もなく、決め技も全くないから、とてもよく分かる。

2012/09/26

備忘録

9月25日の勉強会@新宿で聞いたこと。

  • 講演会では最近、経済より領土や安全保障の話の方が反応がよい。女性や若者も関心を示している。
  • 中国にはアリ族とネズミ族と呼ばれる層がいる。アリ族は周辺の自治領などから来た下層の人たちで中国人と見なされない。ネズミ族は農村から大都市にやってきた人たちで、戸籍が取れず、ちゃんとした家に住めない。ビルの地下に住んでいるのでネズミと呼ばれる。こうした層が暴動を起こしている。
  • 大連では暴動は全く起こっていない。日本企業が多く、撤退したら失業者が数十万人出るから。市民もよく分かっている。
  • 中国の企業では44歳で定年というところもある。辞めた人は自営業に転身し、自営業ブローカーのようなことをやっている人が増えている。
  • 中国は9%成長しないと革命が起きると言われてきたのに、現在の成長率は7.8%。あらゆる局面で行き詰まってきた。
  • レアアースの輸入で日本は全く困っていない。伊藤忠の知り合いは中国からの売り込みがすごいと言っていた。以前の危機で日本企業は脱レアアース、脱中国依存を進めてきたためだ。
  • 習近平はがんとの情報。
  • 大連で空母が完成した。カタパルトがなく、重い最新鋭の航空機は離陸できない。この空母は旅順港を母港とする艦隊の所属。尖閣を含む日本を管轄するのは青島の艦隊なので、日本に来ることはないと思われる。
  • デフレ下の中小企業再生はインフレ下での再生より100倍難しい。
  • 1997年のアジア金融危機で韓国は産業の寡占化が行われた。資本の大半は外国人、とりわけ米国人のカネだ。フィリピンは90%、韓国は60%が米国資本といわれる。だから韓国は4月になると外貨がぐんと減る。米国に送金するからだ。韓国では大卒の半数が就職できない。寡占化で何が起こったのか、検証する必要がある。
  • ウォン安とインフレは韓国のグローバル企業には最高の環境。日本では大前研一と竹中平蔵が持ち込んだ新自由主義、株主資本主義の優等生が韓国だ。韓国では寡占化で競争がなく、大半の国民が不幸になっている。日本もこんな社会になってよいのか、検証する必要がある。
  • 北海道の活性化の特効薬がある。津軽海峡にかちどき橋のような橋をかけることだ。津軽海峡は国際航路なので、中国の船もたくさん通る。通行料をとれば何もしなくてもばんばん儲かる。
  • トヨタとパナソニック関連で日本の雇用の2割になる。
  • 米国でも流通の寡占化が進んでいるが、勝ち残った大型小売店が地方の町からどんどん撤退している。買い物するのみ隣町まで数十キロ運転しなくてはいけなくなっている。
  • 日本にはリスケ中小企業が45万社ある。国のシンクタンクの分析では不良債権が70兆円ある。すべて吹っ飛べば銀行が直撃を受ける。
  • 円滑化法がどこへ行くのか、金融庁も「亀井が悪い」とさじを投げ始めている。1~2年延長される可能性もある。
  • 中国の軍事にはイスラエルが昔から支援してきた。中国はSLBMを打てる潜水艦を2隻つくった。それを配置しているのが南シナ海。そのため中国は南シナ海の支配を30年越しでやってきた。何もしてこなかった日本とは大違い。
  • このため、日本はロシアやインドなど、米国とも中国とも距離を置く国と手を結ぶべきだ。
  • 日本の政治はこれから、親米か親中か、自主派か依存派か、に分かれていくだろう。吉田茂は親米・依存派で長期政権を築いた。野田首相も同じか。
  • 尖閣問題の裏には、沖縄返還交渉と日米繊維交渉がある。沖縄返還を約束した米国は、日本が繊維交渉で譲歩すると思っていたが、譲歩しなかったのでキッシンジャーが激怒し、中国に尖閣の領有をあいまいにした。これから中国は領有権を主張し始めた。
  • ベトナムのギリシャ化が進んでいる。リスクが高まっている。このため企業にはフィリピンに移る動きがある。
  • 米国の海兵隊は議会の承認が必要な陸海空軍と違い、大統領命令だけで出動できる。その最大の部隊が沖縄にいるが、中国の攻撃を受ける可能性があるので、グアムに移動し、いまは豪州に移動しようとしている。その代替として横須賀に空母を2隻配置する。長崎のマリコンの大石建設は、佐世保に空母補修ドックがあり、関連事業で大忙しだそうだ。
  • 習志野の特殊部隊がいま那覇にいる。
  • シェールオイル・ガスで米国の天然ガス価格が大幅に下がった。エネルギーを売るしかないロシアは困っている。シェールオイル・ガスの掘削では環境問題が生じているが、東レの炭素繊維が活用されようとしている。
  • 地方では不動産はいまや動産化しつつある。商品として短期売買されている。ビルは半分埋まれば良く、5年くらいで回収して転売という動きが活発化している。
  • ミャンマーの土地売買には村上ファンドが絡んでいる。靴のABCマートの三木元社長は北朝鮮系で、村上氏とつながりが深い。
  • 日本では一日130兆円のカネが動いていると言われるが、そのうち国内は30兆円にすぎず、100兆円は海外で動いている。これでは国内で金融緩和をいくらやってもデフレは解消しない。
  • AKB48の芸能プロダクションの社長の芝さんは商工ファンドの出身。大島氏の弟子だ。
  • 日本の自衛隊の米軍依存や一体運用が着々と進んでいる。完全に米軍に組み込まれつつある。
  • 自衛艦と中国艦が1対1で戦闘したら自衛隊が勝つが、戦争とは物量だ。尖閣で海保は総動員して警備しているが、日本の自衛隊も海保も薄っぺらで、もう少ししたら続かない。中国はそこまで見据えて挑発を繰り返している。


2012/07/23

ムヒカ大統領スピーチ@リオ会議

会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。
ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。
しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか? 現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?
質問をさせてください。ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか?
息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか? 同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか? 可能ですか? それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?
なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?
マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか?
私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか? あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?
このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか? どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?
このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。
ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。
このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売っては行けない社会にいるのです! そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。
石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。
昔の賢明な方々、エピクレオ、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。
国の代表者としてリオ会議の決議や会合をそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。
根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。
私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、1300万頭の世界でもっとも美味しい牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。
働き者の我が国民は一生懸命8時間働きます。今日は6時間働く人が増えています。しかし6時間労働の人は、その後もう一つの仕事をします。なぜか? バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
そして自分にこんな質問を投げかけます。これが人類の運命なのか? 私の言っていることはとてもシンプルなものですよ。発展は幸福の対抗にあっては行けないのです。発展というものは人類の本当の幸福を目指さなければならないのです。愛、人間関係、子供へのケア、友達を持つこと、必要最低限のものを持つこと。
幸福が私たちのもっとも大切な「もの」だからなのです。環境のために戦うのであれば、幸福が人類の一番大事な原料だということを忘れてはいけません。
ありがとうございました。
(訳:打村明)



2012/07/18

はつ恋最終回

NHKの「はつ恋」が終わった。
最終回はちょっとバタバタ気味の感。
緑と潤ちゃんの別離をもっと早い回にして、3人(健太を入れれば4人)のその後の苦悩をじっくりと描いてほしかった。
緑が健太と家に戻る時、三島に向かって満面の笑みを浮かべていたのも解せなかった。
自分を家に戻してくれた三島への感謝の気持ちが、あの笑みからはうかがえなかった。
だけど、緑と再会する時の潤ちゃんの表情が最高によかった。
台詞もよかった。
自分にはできない表情。
自分には言えない台詞。
それにしても、全8話を見て、スーパースターは潤ちゃんなのだと分かった。
そして、潤ちゃんはカナちゃんだったということも。

2012/07/12

はつ恋

ほとんどテレビドラマは見ないけれど、最近はNHKの「はつ恋」を見ている。
昭和のメロドラマのような話で、見始めたきっかけは宣伝文句の「人生を絶望に陥れた恋人の言葉」が何なのかを知りたかったからだった。
その言葉自体はそんなにたいしたものではなかった。
今週の7話は自分が想像していた展開と異なり、やや意外だった。
来週が最終回。
最後は主人公の病気が再発して死んでしまうのだろうとは予想していたけれど、家庭を維持しながら、人生の最期に恋人への想いを吐露するのかなと思っていたら、どうも全く逆の展開のようだ。
いろいろ脚本に不自然な点があるのに、このドラマがなぜこんなに気になってしまうのだろう。
それは主人公の姿に、自分を見ているからなのだろう。
いろいろな人を、それも自分にとって大切な人ばかりを、傷つけてきた。
取り返しはつかない。
永遠に。

2012/06/19

6.15.00 downgrade

自分のiPhone3GS(Old Bootrom)はiOS4.2.1のベースバンドを6.15.00にしてultrasn0wでアンロックしている。アンロック自体は安定しているが、GPSは機能がやはり弱まっているようで、地図ソフトの現在位置は作動するが、Nike+GPSアプリは「信号微弱」で使えなかった。
ついに昨日、DevTeamが6.15.00のダウングレード機能をつけたredsn0w 0.9.14b1をリリースしたので、早速試してみた。いつもはJailbreakers Infoさんなどの日本語解説が出るまで待っていたが、簡単そうだったのでやってみた。
①iOS4.2.1のipswを用意し、redsn0w 0.9.14b1を起動。select ipswで用意したものを選択し実行。
②ここでパワーボタンを長押しし、スライドバーで電源オフにする。
③redsn0wのjailbreakボタンを押し、downgrade from ipad basebandにチェックを入れ、install Cydiaのチェックは入れず、進める。
④すぐにDFUモードにする。画面の案内があるので2回目でできた。
⑤あとは待つだけ。「flashing baseband」の真ん中くらいで少し待つが、5分くらいで終了し、iPhoneが自動的に再起動。
⑥再起動後、10秒ほどでNTT DOCOMOの表示が出て、設定をみたらちゃんと5.13.04になっている! Mobile substrateやultrasn0wの再インストールは全く不要だった。所要時間は全体で10分程度か。
毎度のことだが、DevTeamはほんとうにすばらしい。これでNike+GPSがちゃんと動けば言うことなし。ブログをみていると、うまく行かない人も少なくないようだが、自分は4.2.1だったからかもしれない。




2012/05/01

桜の下で

前回からずいぶん経ってしまった。
15年ぶりに東京に来た。
ひさびさの東京、ひさびさの外勤、初めての職場環境と、慣れないづくしで、2カ月経ってもほとんど何もできていないが、地道にやるしかない。
ひさびさといえば、ひさびさにめぞんを読んだ。
高校の時もそれほどじっくり読んではいなかったが、いつか忘れたけれど最終15巻は古本で買って持っていた。
めぞんを読むと、自分が本当に偶然の幸運で手に入れることができた大切なものを、自ら捨て去ってしまった自らのどうしようもない愚かさにつくづく気づかされ、いかにいつも上辺だけを取り繕い、いかに高慢で、いかに冷酷であるかを、まざまざと見せつけられる。
深夜にバイクで走り回っていたあのころは、希望はなかったけれど、まだ人間だったと思う。
しかし、いつからこうなってしまったのかと何度も考えるが、いつも答えは同じ。
自分の根っこの部分は、最初からきっとこうだったのだ。

繰り返す過ちのそのたび 人はただ青い空の青さを知る
粉々に砕かれた鏡の上にも 新しい景色がうつされる

しかし、粉々に砕かれた鏡は、もう元には戻ることはない。





2012/02/09

なぜ世界は不況に陥ったのか

1.サブプライムローンから信用危機へ
住宅バブルの崩壊は日本と同じ
日本とは異なり高度かつ複雑に発展していた重層的な市場型金融の仕組みの下で起きた
格付という市場の情報インフラが機能不全→クレジットクライシスへ拡大、市場そのものが機能停止に

2.アメリカ経済の30年
70年代~80年代初頭=スタグフレーション
80年代後半=経済再活性化、ケインズ経済学の権威失墜
85年から20年間=グレートモデレーション(大平穏期)、リスクへの感度が鈍くなった→金融危機を招いた背景
97年のアジア金融危機以降=東アジア諸国が外貨準備を増やし経常収支を黒字化→アメリカだけ赤字となるグローバルインバランスが急激に拡大→金融危機で縮小へ

3.金融の技術革新
80年代に入って資金余剰の時代に→伝統的な銀行業は不況産業化→投資銀行が成功、産業の構造改革に貢献→投資銀行がヘッジファンド化、大きなポジションを抱え、レバレッジをかけて高収益を狙う→金融危機につながる

4.金融危機の発現メカニズム
エージェンシー問題=他人資本で過度のリスクテイク
美人投票問題=戦略的な相互依存関係でファンダメンタルズと乖離した価格を形成
コーディネーションの失敗=アメリカでは今回、実質的に銀行取り付けと同じ現象が起こった

5.金融危機と経済政策
政府の失敗=行き過ぎた住宅政策、「政府やFEDが何とかしてくれる」という期待が民間のリスクテイクを過度に促進する結果に
古典派経済学にケインズ的要素を組み入れたモデルが主流に
不況はある種の「市場の失敗」
アメリカは非伝統的金融政策を実施→リスク資産購入の結果として量的緩和になるという信用に基づく緩和
インフレ目標政策は採用せず

6)危機後の金融と経済の行く末
投資銀行の役割は依然重要→事業会社の財務活動を支援
金融工学そのものが悪いのではなくユーザー側に問題
規制監督体制の見直し→情報インフラの再構築、エージェンシー問題のコントロール
グローバルインバランスは否応なく縮小→北米市場依存の輸出主導型経済成長は困難
短期間での構造調整は困難→その調整プロセスでは世界経済は縮小均衡に→マクロ政策で緩和が必要

7.1990年代の日本
失われた10年は通常の景気循環ではない→金融緩和だけで克服は無理→構造的問題の解決が不可避
日本は80年代にアメリカが行った宿題をいまだにやり残している
03年以降の景気回復は金融緩和と円安誘導による「輸出バブル」→金融危機で90年代の低成長路線に回帰
アメリカ経済を回復させたのは新興企業の資金調達を容易にした投資銀行
労働生産性の向上→労働市場の構造改革が不可避
産業間で物的・人的資本を移転させることが最も必要

■なぜ世界は不況に陥ったのか
これまでアメリカの高い期待成長率で世界の資本が集中
金融危機で資本が逃げ、アメリカは経常赤字を縮小へ
世界経済の不均衡是正=縮小均衡に
日本にとって財と資本を輸出する市場が縮小、円高ドル安に

2012/02/07

死ぬ前に語られる後悔

もし今日が人生最後の日だったら、あなたは後悔を口にしますか。それはどのようなものですか。
人生最後の時を過ごす患者たちの緩和ケアに数年携わった、オーストラリアの Bronnie Ware さん。彼女によると、死の間際に人間はしっかり人生を振り返るのだそうです。また、患者たちが語る後悔には同じものがとても多いということですが、特に死を間近に控えた人々が口にした後悔の中で多かったものトップ5は以下のようになるそうです。

1. 「自分自身に忠実に生きれば良かった」
「他人に望まれるように」ではなく、「自分らしく生きれば良かった」という後悔。Ware さんによると、これがもっとも多いそうです。人生の終わりに、達成できなかった夢がたくさんあったことに患者たちは気づくのだそう。ああしておけばよかった、という気持ちを抱えたまま世を去らなければならないことに、人は強く無念を感じるようです。

2. 「あんなに一生懸命働かなくても良かった」
男性の多くがこの後悔をするとのこと。仕事に時間を費やしすぎず、もっと家族と一緒に過ごせば良かった、と感じるのだそうです。

3. 「もっと自分の気持ちを表す勇気を持てば良かった」
世間でうまくやっていくために感情を殺していた結果、可もなく不可もない存在で終わってしまった、という無念が最後に訪れるようです。

4. 「友人関係を続けていれば良かった」
人生最後の数週間に、人は友人の本当のありがたさに気がつくのだそうです。そして、連絡が途絶えてしまったかつての友達に想いを馳せるのだとか。もっと友達との関係を大切にしておくべきだった、という後悔を覚えるようです。

5. 「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」
「幸福は自分で選ぶもの」だと気づいていない人がとても多い、と Ware さんは指摘します。旧習やパターンに絡めとられた人生を「快適」と思ってしまったこと。変化を無意識に恐れ「選択」を避けていた人生に気づき、悔いを抱えたまま世を去っていく人が多いようです。


The Guardian 2012.2.1より

2012/01/25

備忘録〜経済学はなぜ間違え続けるのか

■通常経済
法則:神の見えざる手
行動原理:経済主体の利潤の最大化
セイの法則:供給が需要を作る
有効需要の原理:作動しない、クラウディングアウトがありえる
金融政策:有効
財政政策:無効
金利:通常(インフレ)
失業:無
貯蓄:貯蓄は投資に回る
リカードの比較優位説:成立する、グローバリゼーションで全員が利益
官民の関係:官から民へが正しい
公共事業:効率のよい公共事業
改革:供給不足になるので構造改革や規制緩和が必要

■恐慌経済
法則:合成の誤謬
行動原理:経済主体の債務の最小化
セイの法則:作動しない、需要不足を招く
有効需要の原理:需要は供給を作る
金融政策:無効、低金利でも企業は借金しない
財政政策:有効、政府は最大の消費者
金利:超低金利(デフレ)
失業:有
貯蓄:貯蓄は投資に回らない
リカードの比較優位説:成立しない、グローバリゼーションで全員が損失
官民の関係:民から官へが正しい
公共事業:効果的な公共事業、需要に力点を置いた効果の薄い公共事業がよい
改革:構造改革や規制緩和の必要なし

バブルの生成、崩壊はすべて「投機」が原因、克服には「教育」しかない…なのだそうだ






2012/01/22

備忘録~為替占領


■8月15日は2度存在した
1971年8月15日のニクソン声明はマネーの歴史上最大の地殻変動→為替による日本再占領 現在も続くドル無制限垂れ流しの原点 米国の要求が日本の国益になったことはない
■現状は円高ではない
米国の戦争やバブル崩壊の後は必ずドル安=借金帳消しになる 日本の為替介入も米国の借金体質を下支えしている 為替介入も一定期間後には情報公開すべき ドル以外の通貨に対しても円高でなければ円高とは呼べない 名目為替レートと実質実効為替レートは大きく乖離 2010年10月の実質実効為替レートは103、1986年のプラザ合意後の1ドル200円台、1990年初頭の湾岸戦争前の1ドル150円台、1998年のアジア通貨危機1ドル147円台の価値はほぼ同じ
■円高で企業が困っているという大きなまやかし
円高ピーク時でも企業業績は好転 為替介入より問題を抱えているセクターへの資金投下の方が効果的 既に日本企業は海外に移転済み 円高=悪→為替介入は米国の思うつぼ
■プライス・アクションで世界金融恐慌は予測できた
有事の短期金利低下 有事のスイスフラン買い 9.11同時テロ前、LTCM破たん前にもスイスフランが買われていた
■相場を操るプレーヤーが必ずどこかにいる
スポット、フォワード、金利平価説、ダイバージェンス スポットは円安なのにフォワードポイントが拡大しない 円キャリー終焉の前にアイスランドクローナ売り
■原油流出事故も予測して動いた人たちがいた
事故前にBPのCEOが自社株売却、その後にGSも売り逃げ
■市場の1年サイクルを読み解く
1月=欧米企業の会計年度スタートのため変動が大きい、ボーナス資金の市場流入で11月終盤から1月3日まで米国株高およびドル高、相対的に円安
2月=従来はシンガポール、香港、中国の旧正月で市場は閑散だったが、最近はこの隙を狙った中国政策金利の変更などもある
3月=日本企業の決算期のため外貨資産の処分で一時的に円高、しかし3月31日と4月1日の相場は注意 
4月=日本の会計年度スタートで海外投資が活発化し円安になりやすい、欧米はイースター休暇で閑散、日本のGW期間はユーロ危機演出や急激な相場加速または反転など狙い撃ちされやすい、2011年は銀相場が急変した 
5月=基本は夏の米株高に向けてドル高、年金基金などの新規投資開始などで円売り傾向 
6月=相場は一服 
7月=ドル高、株高の傾向を維持しやすい 
8月=夏休みに入るが経済危機の発生が多くドル安のスタート地点になりやすい 
9月=8月にスタートしたドル安が続きやすい、株価はピークから下落を始める、米国のデフォルトや新通貨制度の発表があるとすれば8〜9月か 
10月=ヘッジファンドなどが早めに1年の持ち高を調整し始めるためドル安株安が続く 
11月=感謝祭まで持ち高調整が加速 
12月=中旬以降は閑散、11月にドル売りが加速するが12月に一服、欧米企業の自国向け利益送金でドルは底堅い、28日より取引活発化 基本は春に向けて日本の機関投資家の他通貨買いで円安、秋口から円高になりやすい 通貨制度は30〜40年で大きく変わる 現在はペーパーマネーから次の通貨システムに移行する2030年ごろの大変革に向けた通貨混乱期
■資本主義最後のバブルがくる
米国は中国のバブル膨張と崩壊を望んでいる 中国は日本の失敗に学び、元の国際化を徐々に進めている 中国が国土が広すぎて次の通貨覇権国になれない ユーロ安はドイツが演出している ギリシャは一度もユーロの財政基準を達成したことがない アイスランド危機で儲けたのはドイツ、米国と変わらない論理 今後数年は資源バブルが継続、バブルで動き出すのは金融株から 対中投資が吹聴されるようになったら要注意
■日本国債は暴落できない
債務900兆円は「政府の借金」、日本の2009年の対外純資産は251兆円で世界首位で過去最高 日本国債が暴落する前に米国経済が破たんする 日本政府の外貨準備が踏み倒されても依然として世界上位 日本破たんは自国で資金が賄えず、海外から相当量を借り入れた後でにっちもさっちも行かなくなってから 戦時国債はデフォルトではなく物資不足によるハイパーインフレで紙くずになった 日本国債の時価会計が免除されているため暴落しない
■日本の資産喪失シナリオはこう仕掛けられる
「政府の借金は904兆円、国民は1人当たり700万円を貸し出し」が正しい 家計の資産全体は増え続けているが負債は横ばい 個人資産1,400兆円と金融機関の預貯金額が減る状況ならば国債発行額を抑えるべき 国債で集めた資金が社会保障費に回っているか、不必要な国債が発行されていないかを検証すべき IMFも暴落の心配はしていない 9.11同時テロでは日本の米ドル資金が決済リスクを理由に事実上凍結された→有事の際は米国に米ドル資産を持っていても無意味 変動相場制の歴史は米国の借金踏み倒しの歴史 日本が持つ米国債のうち3分の2はすでに元本割れ、今後のドル安でさらに減価 米国の借金踏み倒しのシナリオ→米国が日本の米国債売却を許可→日本政府が売却開始、急激なドル安進む→資源バブルが進み長期金利が高騰、世界インフレの様相→TPPで日本農業は壊滅するが超円高効果で危機感なし→インフレヘッジで日本の株価上昇→米国が部分金本位制による新通貨制度を発表、1ドル100円でドルの価値回復 米国はどこかの時点で日本が持つドルを最も安く売らせたい、または最安値でデフォルトを宣言 通貨の代わりとなる金のような外貨準備がないと通貨混乱期の円安局面で物資の海外調達ができなくなる 国力のあるうちにエネルギーと食料の確保に手を打つべき 軍艦も食料もエネルギーも自国で生産できるものは自国で生産することが基本
■日本のネガティブキャンペーンは誰が仕組んでいるか
財務省の海外発言で本音がわかる マクロで見れば日本は世界最大の貯蓄超過国 国債は日本国内で極めて低利かつ安定的に消化 日本は世界最大の経常黒字国・債権国であり外貨準備も世界最高 IMF「日本は付加価値税(消費税ではない)の低さが問題」 出生率の微増が続けば社会保障の拡大は自然に止まる
■日本に次のバブルが迫っている
強者のシナリオは「よみがえる日本」→中ロ台頭、中東不安定化で日本の必要性高まる→バブル再来 相続税100%で同年代高齢者の支援に
■3.11後の為替相場はどう動くか
自然災害は通貨安にならない 個人投資家のFXは為替介入以上の規模での円売り シカゴ通貨先物の動きに相場のヒント 海外勢は3月1日に円買い カナダは円売りの協調介入時でユーロ買いをしていた